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2019.01.23

知り合いは150人で十分

世界中の人とやり取りできるSNS。
SNS上の友達が1000人を超えている人も多いでしょう。

 

しかし、1000人全員と小まめにやり取りできている人は、
というとほとんどいないのではないでしょうか。

 

SNSでは、知り合いが多いほど、
投稿記事などに対し「いいね」などの
反応をもらいやすくなることから、
自分が認められているような気がして、
つながりをどんどん広げている人もいるかもしれません。

 

しかし、本当に価値ある、シナジー人脈をつくるなら、
知り合いは最大で150人いれば十分です。

 

これはなにも、金川顕教の感覚で
言っているわけではありません。
科学的な研究に裏打ちされた数字なのです。

 

イギリスの人類学者であるロビン·ダンバーは、
さまざまな猿や類人猿の脳を調査し、
大脳新皮質という部位の割合が大きいほど、
群れを成す数も大きくなることを見出しました。

 

そして人間について、
その大脳新皮質の大きさから予測される
「安定して関係を保てる人数」を割り出したところ、「150人」という数値が出たのです。
これは、「ダンバー数」と呼ばれています。

 

ちなみになぜ、
脳の容量で友人の数の限界が決まってしまうのかというと、
次のように考えられています。

 

友人が多くなるほど、
その相互関係はややこしくなります。
相手によっても自分の在り方、
立ち位置などを変えなければいけませんし、
情報管理も複雑になっていきます。

 

これらを的確に整理し、行動するには、
それに見合っただけの脳の容量が
なければならないというわけです。

 

ダンバー数は、社会学的にもその効力を実証されています。
まず、いまなお狩猟採集民として暮らす約20の部族社会では、
氏族や村といった集団の平均人数が
153人であることがわかっていますし、
アメリカやカナダで厳しい宗教戒律に基づいた
独自の共同体を形成する「アーミッシュ」は、
構成員の平均が110人で、人数が150人を超えると
共同体を二つに分けてしまうといいます。

 

軍隊では、中隊と呼ばれる編成の構成人数が
おおむね100〜230人(平均150人)の範囲で
組み立てられているそうです。

 

ビジネス組織論では、1950年代から、
組織の規模が150〜200人を超えると
サボる人間や病欠する人間が
ぐっと増えることが知られてきました。

 

うまく機能しているヒトの集団は、
どこでも150人程度です。

 

それを踏まえてか、透湿防水雨具のゴアテックスで有名な
ゴア・アソシエイツ社では、会社の各部門の社員数が
常に150人以下になるように、社員が増えすぎたら
部門や工場を分割するという戦略をとっているそうです。

 

さて、ここで質問です。
あなたのスマートフォンに入っている
電話番号の件数はいくつでしょうか。
150人以上でしょうか、以下でしょうか。

 

「電話をかける相手」というのは、それなりに親しかったり、
仕事上でのリアルなつながりがあったりする人であり、
「ダンバー数」という指標を取り入れる一つの目安となります。

 

もし150人以上なら、
キャパシティオーバーの状態になっていると考えられますから、
一度人脈を見直し、整理する必要があるでしょう。
反対に、それよりはるかに少なければ、
もう少し増やす余地があるといえます。

 

ちなみに「ダンバー数」から踏み込んで、
より「濃い関係」の相手の数についても考えてみましょう。

 

社会的ネットワークは
3の倍数に近い数で構成されるといわれています。
親密な関係は3〜5人、その回りに10人、
さらにその外側に30人がいて、
いちばん外側が150人です。

 

ダンバー数の内側にある30人は、
普段から連絡を取り合っているような人たちです。
そのさらに内側は、毎日のように会う人や大親友、
親族などが含まれます。

 

もっとも親密な3〜5人は、両親や恋人など、
身内になるかもしれません。

 

ビジネスシーンにおいて、
内側にある「30人」の枠は、意識し合い、
きちんと付き合うことができている相手です。

 

互いのことをそれなりに理解しているこのレベルの人脈こそ、
シナジーを起こすために最適であるといえます。
欲張らず、まずはこの30人を
強固な人脈にすべく心を配りましょう。

金川顕教

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