じっくり読まない、じっくり聞かない
本や雑誌から情報収集しようとするときは、
まずカバーを見て、帯のキャッチフレーズを見て、
どんな本なのかを大雑把にイメージします。
そして、それが自分が求めている情報と
一致していると思ったら、
本を手に取り、中をめくります。
ただし、間違っても、
最初からじっくり読もうとしてはいけません。
大事なのは、全体を俯瞰することです。
まず読むべきポイントは
·まえがき
·目次
·小見出し
·あとがき
そこにざっと目を通せば、
その本が全体としてどういったことを伝えたいのかが
大体わかります。
その上で読み始めると、
意識が細かなところに縛られなくなるので、
読むスピードが速くなります。
しかも、その本が本当に伝えたい重要な情報を
うまく読み取れるようになるので、
情報収集の精度も上がるのです。
じっくり時間をかけて1冊読むよりも、
読み流しでも反復して読む方がいい。
「エビングハウスの忘却曲線」
という有名な実験結果によると、
人は20分後に学んだことの42%を忘れ、
1時間後に56%、さらに1日後に74%、1週間後に77%、
1カ月後に79%を忘れてしまうといいます。
人間とは忘れる生き物。
どうしても忘れたくないものは、
目に触れる回数を増やすしかありません。
忘れた量が少ないうちに目にした方が効率的なため、
短期間に何回も見るべきです。
公認会計士試験合格を目指していた頃、
金川顕教はとにかくテキストをめくりまくっていました。
問題集、例題、試験問題もそう。
反復学習の数が結果を伸ばすからです。
つまり量からしか質は生まれない
というときの「量」とは、「反復」なのです。
たくさん見るためには、スピードが勝負。
じっくり2時間かけて1回目を通すよりも、
パラパラ30分見るのを4回繰り返す方がいい。
金川顕教の場合は1秒で1ページをめくることを心がけていました。
大概のテキストは大事なことは太字で書いてあるのだから、
そこを重点的に頭に叩き込むのです。
講義や授業もそう。
金川顕教は1回の講義をじっくり聞くのではなく、
2倍速で2回聴くようにしていました。
じっくり時間をかけて1回で完璧に理解しようとするより、
ざっくり見たり聞いたりすることを何度も繰り返す。
完璧主義の人には難しい、このやり方の方が
総じて結果が出やすいのです。
ざっくり主義でやれる大雑把な人が
結果を出せる理由はまさにこれ。
「そのうちに理解できるようになるはず」
という余裕が大事なのです。
金川顕教