たとえば、単純な例で言うとこういうことです。
「食べたい。でも、痩せたい」
多くの方にとっての永遠の悩み、それがダイエットですよね。
一年中、いろいろな雑誌で特集され、
成功したダイエット法を語る本も次々に出版され、
そのうちの何冊かはベストセラーにもなります。
最近では「結果にコミット」するジムが大流行。
みんな、自分の体をもっと「美しく」「かっこよく」したいと
望んでいることがわかります。

でも、その一方で食べることが大好き。
こちらはこちらで、テレビでは毎日のように
「おいしいもの」が特集されています。
いちばん視聴率を取れるのはグルメ番組という話も聞いたことがあります。
「痩せて美しくなる(かっこよくなる)」ことにもワクワクするし、
「おいしいものを食べる」ことにもワクワクする。

さて、どうしましょう??
これはもう、どちらへのワクワク感がより強いか、
未来に向かってどちらを選ぶのか?という本人の決断次第です。
両立しないワクワクがある場合は、
どちらをより望むのかで決めるしかありません。

金川顕教の話をしましょう。
実は、以前はラーメンが大好きでした。
麺類の中では圧倒的にラーメンが好き。
結構な頻度でラーメンを食べていた時期もありました。
でも、ある時、こう思ったのです。
「身体をもっと絞り込みたい」
筋肉をつけて、自分なりの理想とする身体になりたいと考えるようになりました。
早速(すぐに!)ジムに通ってトレーニングを始め、
プロのトレーナーから食事指導も受けました。
そこで、ラーメンは極力食べない方がいいと言われたのです。

その時に教えてもらったのが
「ラーメン以外を好きになる」という方法でした。
大好きなラーメンをあきらめる、
大好きなラーメンが二度と食べられない……などと思ってしまうと、
それは大きなストレスになります。

そうならないために、身体を絞り込むという
新しいワクワクする目的を邪魔しないものを、
ラーメンよりも大好きになればいい。
そうなるように、訓練をすればいい。
トレーナーの方が言うには、麺類を食べるなら
ラーメンよりも日本そばがいいということでした。

とはいえ、ラーメンを食べたい気持ちはそばでは満たされません。
これは、多くのラーメン好きの方にも共感してもらえると思います。
そこで、どうしたか?

最初のステップは、ラーメンからパスタへの移行でした。
ラーメンが食べたくなったら肉や野菜がたっぷりのパスタを食べるようにしました。
パスタも本来の目的からするとNGな食品です。
でも「麺類が好き」という気持ちの逃げ場として、
ラーメンよりは具にバリエーションがあり、
栄養的な面でも軍配が上がりました。

パスタの次は、うどんです。
関西生まれで、もともとうどんは好きな方だったので、
比較的ラクに「うどん大好き」になれました。
そして最終段階は、そば。
「麺類食べるならそばがいいな」という境地になれるよう
自分を馴らしていったのです。

今は、基本的には麺類といえばそば一択です。
大好きだと思えるようになったので、辛くはありません。
もちろんラーメンを絶対禁止にしているわけではないので、
どうしても食べたくなったら食べます。

でも、そう思っているだけで、
案外食べたくならないものです。
少々くだらない例で説明しましたが、一事が万事です。
「これがないと人生が楽しくない」
「これを我慢するなんて、生きている意味がない」
こういうことを簡単に口にする人がいます。

その対象がラーメンだったり甘いケーキだったりすることもあれば、
夜遊びだったりカラオケだったり、お酒だったりという場合もあります。
どの場合も、金川顕教は否定しません。
本当にそれがないと人生が楽しくないというのなら、
それは大切にしてください。

ただ、本当にそうですか?
単なる思い込みじゃないですか? とも思うのです。
他にもっとやりたいことがあるのに、
今夜も遅くまで深酒をしてしまった。
おかげで今朝もちょっと寝不足。
それでも、お酒って本当に人生に必要ですか?

少しでもきれいになりたいと思って
体重をあと3キロ落としたいと思っているのに
ケーキを食べてしまった。
「ケーキのない人生なんてつまんない」などとつい言ってしまいますが、
そのケーキは、本当にあなたの人生を幸せにしていますか?

自分自身が本当に望んでいることは何なのか。
それをかなえるためにはどうすればいいのか。
一度、思い込みを外してまっすぐに素直に考えてみることをお勧めします。
金川顕教が「ラーメン大好き」から卒業できたように、
あなたも「○○がない人生なんてムリ!」という気持ちから脱却して、
もっと素晴らしい成果を手にすることができるはずです。

金川顕教